手長ネコとカメと月

無色楽天  2007-12-22投稿
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やぁ、僕は手長ネコ。

普通のネコとはちょっと違う。

なんたって、手が長い。
どこまでだって手が届く。

なんだって器用にこなす。

バランスを考えて二足歩行だけどね。

今日は僕の夢の話さ。

突然だけど、僕には夢があるんだ。

夢はね、空が真っ暗になったときの、あの大っきな星に、手が届くことさ。

毎晩みたいけど、眠いから毎晩見れないや。

そんな、ある星を見てる日にね。

たまたま起きてた、友達の亀さんがやってきたんだ。

お昼寝が多かったのかな。

手も、足も短くて、ゆっくりしか歩けない亀さんが言ったんだ。

「あの星かい?君なら届くよ?」
本当かな?長い手を上げれるだけ上げて、僕は驚いたよ。

さて、お初にお見せします。へへっ、これは僕の愛車さ。

愛車って言っても、原付だけどね。

車は、足が届かないんだ。

今から、亀さんが教えてくれた所に行くんだ。

亀さんは眠そうだね。

森を越えて、やって来たよ。沢山の木たちと、おっきな湖がある所に。ここかな?

「ここだよ?」亀さんがいったよ。

でも、相変わらず、あの星は、おっきくて遠いな?

「大丈夫だよ」亀さんがいったよ。

わかんないや、腕だって組めちゃう長い手だけど、どうしたら届くんだろう。うーん。

「ふふっ」亀さんは笑いながら教えてくれたよ。

「こっち、ほら」

本当だ。長い手が届いたよ。

ちょっと、冷たいけど、あのおっきな星に触れたよ。

あんなに遠いものだったのに、こんなに近くで触れたよ。

冷たいけどね。

手を払って愛車にのって、眠たいから帰ったよ。
でも、ずるいや。亀さんはもっとあのおっきな星に近づいてたな。

手も長いし、泳ぐ練習でもしようかな。

明日にしよ。眠いや。

おやすみなさい。

月はそんなネコを見て、
「太陽さん、もうちょっと…」
沈むのを少し遅くした。



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