aki-第2章-?

1003  2007-12-23投稿
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午後6時半過ぎになっていた。
事務所の中の人数が減り始めている。

私は『仕事が手につかない』という言葉の意味を痛感していた。

腕時計の秒針の進む音がやけに大きく感じる。



彼は、待っているのだろうか。



本当に彼ともう1度会っても良いのだろうか。



私は迷っていた。
もうすでに決まっていた答えを認めたくなかったのかもしれない。



気が付くと、私は事務所を出て1階のロビーへ向かっていた。
エレベーターのボタンを押す時、異常な程自分が緊張しているのに気付いた。




エレベーターの扉がいつもよりゆっくり開くように感じる。
人気はあまり感じなかった。



少しだけ遠くに人影を見つける。
多分ここが、例えば人混みの中だったとしても、私には彼を見つけ出せる自信がある事に気付く。

そして、何の言葉もかけていないのに、何かに気付き彼が振り向く。



自分でもどうする事も出来ないくらい、きっと私はこの人が愛しい。



この人と一緒にいたい。



この人の事をもっと知りたい。



他愛もない出逢いだった。
でも、そう想う気持ちは簡単には止められないものだと初めて知った。
理屈では到底説明なんて出来るはずもない。




恋の形や愛の形、ましてや幸せを感じる場面なんて、たくさんあるのだ。


真実は二人しか知らない。
たくさんの人の中で出逢えた二人しかわかるわけもない。




その後。


言葉少なく、私と彼は、


唇を重ねていた。


たくさんの星達の下で。





これから起こるかもしれない、どんな事も受け入れようと誓いながら。





あなたがいれば、きっと私は大丈夫。




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