数年前より、体調を崩し、通院生活を送っているが、一進一退であった。事情で、夏の終りに主治医を変えた。多少不安もあったが、診察後何か心が和んだ。親しみやすい医師と息のあったスタッフの人達の対応に、来院して良かったと帰路についた。
次の診察日その気持ちを医師に話すと、カウンセリングを勧められ数週間後に担当の臨床心理士の方と会わせて頂いた。
大学院を卒業されて間もないという若い女性。健康美溢れる容姿、ナチュラルな笑顔。私は週一度彼女との50分が待ち遠しく、楽しみで仕方がなくなった。「貴女の事をもっと良く知りたいので幼少期から今に至る迄のお話を聞かせて下さいますか?」私の口に後から後から過ぎた日々の思い出が流れだして来た。記憶を辿りつつある間に私は、温かな何かが私を包容し私を囲み、幸せな物語の主人公になっているのだ。
現代は何と病んだ時代であろう。胸をえぐられる様な報道が相次ぐなか彼女の様な職業を必要とする事は間違いない。
願いが叶うなら娘にも彼女の様なになってもらいたい。それも夢ではないのでは?と思える。私は少し前を向ける自分になれた証拠だから。