『あはは。松田君、コーヒー好きなんですね。ブラックで。しかも一気に飲むなんて。』
悪戯っぽく笑いながら、カップを品の良い口元へ運ぶ彼女。
ああ‥。俺、柄にもなく緊張してる?!
『あ、松田君て煙草吸います?ごめんね。気が付かなくて。待ってね。今、灰皿持ってくるね。』
そう言って彼女は立ち上がった。
『はい。灰皿です。』
灰皿をテーブルの上に置き、彼女は再び俺の向かい側に座った。
『ありがとう。君は吸わないんだよね?煙草の匂い大丈夫?』
俺は柄にもなく気を遣ってみた。
同性の友人には決して言わないセリフだ(笑)
『うん大丈夫です。あたし、自分は吸わないけど、周りの友達が吸う人多いから。吸わないけど、吸ってる人の側に居ても別に平気なの。あはは。ずぼらなO型かな。』(O型の方済みません。)
こう言って彼女は笑った。
女の子ってホント分からない。
思わず守ってあげたくなる程繊細だったりー。
かと思えば、どこかの肝っ玉母さんの様な度胸があったりー。
『木下さんO型なの?俺はA型。繊細な』
そう言って俺は煙草に火を点け掛けたが、彼女に悪いので躊躇した。
『あら、松田君A型なの?繊細な?!
あたしは大ざっぱなO型だから、相性バッチリですね。』
彼女は笑いながら言った。
『今日は松田君にあたし特性のグラタンを食べて頂く為に、お招き致しました。』
くるくる変わる彼女の表情は、とても愛くるしく見えた。
『後はオープンで焼くだけなの。』
エプロンを身に付けながら、彼女は再びキッチンに立った。
エプロン姿の彼女はとてもキュートでチャーミングに見えた。
芸能界で言えば、
こんな子が嫁さんにしたいタイプ?1になるんだよな。
そんな事を考えながら、俺は彼女のエプロン姿に見とれていたーー。