朝山中との練習試合を終えて何日か練習を挟んだ後、俺達藤城中野球部は『東健康センター』という合宿施設に10時に集合した。
東健康センターとは
宿泊施設と体育館、2面ほどの広さを持ったグランドを兼ね備えた山の中にある合宿施設だ。
合宿時には野球部の父兄が集まり3食きっちり準備してくれる。
また合宿となると藤城野球部のコーチ陣が集結し練習メニューも普段とは格段にきつくなる。
ケイタ『あ゛〜なんで俺らだけ春合宿あるんだよ〜。夏だけだと思ってたのに…』
ケイタは来て早々愚痴っている。
カズマ『まぁそれだけ期待されてんだろ?秋3位だったし…練習試合も県の強豪といい試合してるしなぁ…』
キャプテンのカズマがこれをなだめた。
ユウト『ま、春から新しいポジションの人もいるし良い機会かもね』
ユウ君は相変わらず冷静だった。
そうこうしてる内に曾我端さんと今井先生が到着し俺たちは一旦集合した。
曾我端『まず2階に自分の荷物置いてきて、10時半からアップ始めろ!
午前は軽くノックやって、昼食とってから午後から合宿内容を説明するミーティングやるからな!』
全員『ヘーい!!』
曾我端さんの指示通り荷物を置いた後、俺達はアップを開始し、ノックを受けた。
ショウとリュウヤはブルペンに入りピッチングをし、野手陣は内外野に別れてそれぞれ練習をした。
ノックは普段の練習と変わらない感じで行われ、あっという間に時間が過ぎていった。
ノックが終わるとグランド整備をし、俺達は宿舎に戻った。
宿舎では父兄が作った昼食が準備され俺達は腹いっぱいになるまで食いつくした。
『出されたものを完食する』という合宿ならではの掟も、この先長い3日間を過ごす俺達にとっては大変なルールであった。
なぜなら2日目、3日目は疲労で食をうけつけなくなってしまうからだ。
そうこうしてると昼食が終わり、曾我端が口を開いた。
『13時になったらミーティングするからまた食堂に集まれ!いいな?』
全員『ヘーい!!』
だが、この後のミーティングで究極の合宿内容が発表されることを俺達は知るよしもなかった…