目まぐるしく時は過ぎ、何も出来ないまま今年が終ってしまう…。
中学から高校へ、意気揚々と進学した俺を待ち受けていた現実はあまりに厳しいものだった。
まず部活。
中学から始めた剣道だが、なかなかの成績を残し、三年の夏、あれよあれよと勝ち進んだ俺は何と地区大会を優勝し、県大会の決勝にまで駒を進めていた。
惜しくも延長戦の二回目、思い切って面にいった所、出小手をとられ負けてしまったが、それはかなりの自信へと繋がった。
正直高校で俺より強いのがいないんじゃないかとさえ思っていた。
しかし、小柄な俺は先輩との体格差を技術でカバーしなくてはならなく、簡単に勝てる相手など、一人もいなかった。
次に学力。
内申点が足りていれば、私立単願はめったな事でもしない限り落ちる事はない為、俺は悠々と単願で入ったのだが、地区でも指折りの進学校で、周りのダチに俺みたいな馬鹿はいなく、テストの度に赤点をとらないかひやひやしている。
特別出来ない訳ではないのだが、ここは特別出来る奴らの集団だから、順位を上げるのは容易な事じゃない。
そんなこんなで、今年は苦労、苦労の一年で、まぁ、大変だった。
きっと、この広い世の中、俺と似た者同士のバカが無数にいることだろう。
同じ様な境遇に立たされている人もいるだろう。
そんな人々に言いたい。
過去を後悔する前に今を一生懸命頑張ろうぜ。
苦手な事もやり続ければ、いつかは必ず出来る様になるら。
他人と比べられても引け目を感じる事なんかない。いつか追い抜くその日まで、悔しさを忘れるな。
最後に。
長い人生のたかが二、三年。本気で事に当たろうぜ。