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つい最近ここらに引っ越してきた私に
初めて出来た友達は、近所に住む、6歳年下の『追風 翔』だった。
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“ガタガタ・・ガタガタ・・”
中学に入る前。。春休みに、私はスッカリ馴染んだ町を発った。
強制的だけど、親と離れるわけにもいかないし。
けど、やっぱり不安。1番心配なのが『友達』。
私も引っ越していった仲の良い友達に色々聞いている。
『最初のうちはいじめられた。いまではほとんど無いけど^U^』
車内の窓から見える景色は、さらに私を追い込んでいく。
ふと見れば、同い年くらいの女の子がグループで歩いている。
私もあの輪の中に入れるだろうか。
・・・これだからネガティブはヤなんだ(T_T)
すると、お母さんが確認するようにお父さんに訊いた。
お母さんは心配性だからねぇ。
「道あってる?」
「あってる。多分。」
「えぇ!?間違ってたらどーすんの!」
「その時はその時ネ」
お父さんがお兄ちゃんの言うとおり、説得力無し気に答える。
私もお父さんの様な曖昧な言葉でしめる。
なんか一言言わないと、お兄ちゃんが
『ノリ悪いぞ!オレの次は蓮だろ!』
とか何とか言ってまためんどくさい事になるからね。
「ホラ、あってんじゃん。」
「えっ、もう着いたの?」
「あぁ。」
話すときはほとんど10文字以内のお父さんが、
勝ち誇ったような笑みを見せる。
お母さんはそんな笑みにはいっさい目を向けず、
「あぁ〜、良かった。」
と1人で安心している。
お兄ちゃんは表札を見て一応確認。私も確認。
<< 嵐原 >>
新築なので、表札もぴかぴか。フッとにやけてしまう。
「イェ〜イ!着いた着いた!嵐原!イェイ。」
お兄ちゃんが私にグッドラックしてくる。
私もつい、寂しさも忘れて、嬉しくなった。
「イェイ」
2人で顔を見合わせ、ニカッと笑う。
まぁ、ポジティブな兄貴がいるし、ここは大丈夫でしょ。
私はバックミラーと顔を合わせ、もう1度微笑んだ。
〜続〜