日常茶飯事? 〜1〜

梨希  2006-04-05投稿
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つい最近ここらに引っ越してきた私に
初めて出来た友達は、近所に住む、6歳年下の『追風 翔』だった。

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“ガタガタ・・ガタガタ・・”

中学に入る前。。春休みに、私はスッカリ馴染んだ町を発った。
強制的だけど、親と離れるわけにもいかないし。

けど、やっぱり不安。1番心配なのが『友達』。
私も引っ越していった仲の良い友達に色々聞いている。

『最初のうちはいじめられた。いまではほとんど無いけど^U^』

車内の窓から見える景色は、さらに私を追い込んでいく。
ふと見れば、同い年くらいの女の子がグループで歩いている。
私もあの輪の中に入れるだろうか。

・・・これだからネガティブはヤなんだ(T_T)

すると、お母さんが確認するようにお父さんに訊いた。
お母さんは心配性だからねぇ。

「道あってる?」

「あってる。多分。」

「えぇ!?間違ってたらどーすんの!」

「その時はその時ネ」

お父さんがお兄ちゃんの言うとおり、説得力無し気に答える。
私もお父さんの様な曖昧な言葉でしめる。
なんか一言言わないと、お兄ちゃんが
『ノリ悪いぞ!オレの次は蓮だろ!』
とか何とか言ってまためんどくさい事になるからね。

「ホラ、あってんじゃん。」

「えっ、もう着いたの?」

「あぁ。」

話すときはほとんど10文字以内のお父さんが、
勝ち誇ったような笑みを見せる。
お母さんはそんな笑みにはいっさい目を向けず、

「あぁ〜、良かった。」

と1人で安心している。
お兄ちゃんは表札を見て一応確認。私も確認。

<< 嵐原 >>

新築なので、表札もぴかぴか。フッとにやけてしまう。

「イェ〜イ!着いた着いた!嵐原!イェイ。」

お兄ちゃんが私にグッドラックしてくる。
私もつい、寂しさも忘れて、嬉しくなった。

「イェイ」

2人で顔を見合わせ、ニカッと笑う。
まぁ、ポジティブな兄貴がいるし、ここは大丈夫でしょ。
私はバックミラーと顔を合わせ、もう1度微笑んだ。

〜続〜

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