しんと静けさが漂う病室から、重い足を軋むベットの外へと投げ出す。
12月の室内は空調を完備されているとはいえ肌寒く、身を震わせた。
床にあるひんやりとしたスリッパを穿き、廊下にでて洗面台へと向かう。
途中。
広く闇が渡る真冬の空が眼に留まった。
重い群青色の西の空に、白い星がいくつかまたたいている。
しかし東へと視線を動かせば地平が徐々に明るくなり、山を照していた。
空はは紫から桃へそして橙色に移り、一瞬の閃光が夜を裂き、窓の外のを極彩色へと染め上げる。
世界が眩しい。
空は青みをおび、雲が山へと帰っていく。
地は輝き、鳥は唄を唄い出す。
あぁ…なんて美しい。
私はなんにだってなれる。
なんだって出来る。
この美しい地球に守られているのだから。