奈央と出会えたから。?

麻呂  2007-12-24投稿
閲覧数[917] 良い投票[0] 悪い投票[0]

『出来ましたよ。熱いから気をつけてね。』

彼女の立っているキッチンの方に目を向けた俺は思わず、

『うぉっ‥。』

‥と口走ってしまった。

何故なら彼女が鍋掴みをはめた両手で支えて持って来た物はー。

どっしりとした大きな耐熱ボールだったからだ。


マジっすかぁ〜。


俺は心の中で叫んだ。


『松田君、栄養失調だから、うんと沢山食べてね。』


彼女はにっこり微笑んで、俺の前にグラタンを置いた。


どう見たって普通の3倍の量はあるよなぁ‥。


どでかい耐熱ボールに入ったグラタンには驚いたが、
見た目は普通のグラタンに見えたし、
香ばしく焼けたチーズの匂いが、俺の食欲中枢を刺激していた。


『おっ‥うまそう。頂きます。』


そう言って俺はグラタンを口に入れた。

『どぅお?』


心配そうに彼女が見つめる。


『うん‥。うまい。うまいよこのグラタン‥じゃなくて‥。』


‥と言い掛けて、
俺は言葉を詰まらせた。


『ドリア。』


一口目を口にして、二口目をスプーンですくって気が付いた。


底には御飯が入っていたからだ。


『ドリア?!‥これはグラタンです。御飯の入ったグラタンですよ。』


彼女は少しムキになっていた。


『御飯の入ったグラタン?!それってドリアだよね?!』


スプーンを口に運びながら俺は言った。

『ドリアって‥。御飯入ってるやつの事?』


彼女は少し自信なさげに言った。


『うん。だと思うけど‥。違うかな?!』


『あたし勘違い‥して、た?!いやだぁ〜。』


彼女は顔を赤らめて言った。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 麻呂 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ