小学5年生の時、好きな人にチョコレートを渡した。
中学生になり、やっぱり彼が好きだったけど告白もできないまま、その人はあたしの友達と付き合いだした。
高校生。学校が別々になり、会う機会もなくなり、あたしたちの接点は無くなった。
そして、大学生。
ある日駅のホームで電車を待ってると、
ドクンッ。
心臓が大きく鼓動する。
一瞬にして目に飛び込んで来た彼の姿。
あたしは思わず駆け出した。
『新吾っ!』
目を凝らし見つめる彼。
『おぉっ!美希!』
今まで何人かと付き合ってきた。
けれど、こんなにも胸が高鳴る人はいなかった。
今、全身で新吾が好きなんだと分かる。
駆け寄ったあたしに微笑みかける新吾。
『美希!お前相変わらず元気だな。』
『そう?新吾は?元気だった?』
そんな些細な会話でも顔がにやけてしまいそう。
でも、そんな会話しかできないまま電車が来てしまった。
2人は別々の電車。
どうしよう…
その時、
『これ俺のメルアドと番号。良かったら連絡して。』
再び2人は出会った。
これは偶然なのだろうか?
新吾からのメモを握り締め、喜びを噛み締めるあたしがそこにいた。