何とか、親の承諾を経て、堂々と夫婦だということを周りにも認めてもらい、生活も落ち着き始めた頃、産婦人科の先生から衝撃的な事を聞かされた。
妻の子宮がソウカク子宮というものだと言う。つまり、子宮は普通一つしかないみたいだけど、妻の子宮は二つ分かれにハート型になっていて、片方に子供が入っているという。しかも、二つに分かれている根元が、出産の時破れたら、赤ちゃんも、妻も助からない破水もできないというとんでもない内容だった。
そんな事を急に言われてもって正直思った。二人とも助からないってどうゆうこと?やっと落ち着いてきたのに・・・楽しくてたまらない日々が一転し、たえれないぐらいの恐怖が頭を過ぎるようになった。お腹の中で、赤ちゃんが大きくなっていくにつれて、これからのいろんな事に不安でいっぱいだった。唯一の手段は、破水する前に帝王切開、これしかないと言われ、入院は、予定日から一ヶ月も前からすることになった。
自分の頭の中では、うまくいってたはずなのに、結婚して、子供ができたら、一人前になれるなんて思ってた自分が情けなかった。落ち込んでる二人を見て、先生が言葉をかけてくれた。神が与えた二人の試練だから、乗り越えた先には楽しい未来が待ってると。
僕たちはその言葉を信じることしかできなかった。何とか気持ちを抑えることができはじめ、8ヶ月が過ぎた頃、更に大きなことが明らかになった。
赤ちゃんの指が見えない
もしかすると、障害をもって産まれてくるかもしれないので、覚悟しておいてくださいと
色んな覚悟をしてきたつもりだったけど、この時初めて神様に祈った。今までしてきたことを恨んだ、何もできない自分を憎んだ。どうか無事に産まれて来て下さい。祈るしか無かった。
妻は不安を隠しながら、一日、一時間、一分、一秒を全力で明るく振る舞ってくれた。僕もそれに応えた。
そして、運命の日が突然現れた。