キャッチボール

さすらいの小説家  2006-04-05投稿
閲覧数[350] 良い投票[0] 悪い投票[0]

玲花と僕は幼なじみ。よく野球をやって遊んだ。玲花は運動もできて顔も可愛い、頭もいい、と男子生徒の憧れの的である。そこでこんな噂が一人歩きをはじめた。
『野球部のエース、宮館とマネージャーの花崎は付き合ってるらしい。』
嫉妬なのか。それにしてもあの玲花との部室でのやりとり。なぜ宮館に気があるんじゃないのか。なんて言ってしまったんだろう。もし違っていたら玲花はとても悲しい思いをしたに違いない。でも玲花は顔に出さなかった。謝ろう。僕はセカンドバッグから携帯を取り出しメールを打った。
『さっきはごめんm(__)m。おれどうかしてたわ。』
五分後、メールがきた。『明日の練習何時だっけ?』(なんだ、鈴木かよ。練習開始ぐらい覚えておけよ。)『七時半!』鈴木は補欠のショート。キャラの濃い風貌でみんなからの構われ役だ。僕は少し残念に思い返信した。(風呂でも入るか。)そう思って浴室に行った。風呂に入るときでも右手がないのは不便だ。洗髪も左手のみ、体を洗うのも左手のみ、顔を洗うのも左手のみ、普通の人の1.5倍は時間が掛かる。僕は湯槽に浸かってふと考えた。(俺ってなんで野球を始めたんだっけ。)確か小学校の三年のときだ。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 さすらいの小説家 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ