今井先生が発表したスタメンは、驚きのメンバーだった…
1(中)北条晃3年
2(二)白石悠都3年
3(三)滝本龍夜3年
4(一)村上拓哉3年
5(投)天堂寺翔3年
6(捕)不破一真3年
7(遊)八神光輝3年
8(左)菊川京介3年
9(右)丸山慶太3年
俺自身の打順は前回の9番から7番に上がったが、そんなことよりも、今まで外野だったリュウヤがサードになるとは…
今井『秋までショートだったリュウヤは何とかなるだろ?』
今井先生は、センスのあるリュウヤだからこそできると思い、試合直前のコンバートに踏切ったようだった。
リュウヤ『なんとかやってみます…』
いつも高飛車なリュウヤも不安は隠せないようだった。
曾我端『まぁ龍夜や拓哉に関しては、少しのミスは大目にみる。突然だからな…まず少しでもシートノックで感触を確かめてくれ!』
リュウヤ、タク『へい!!』
そして、俺達はシートノックの準備をした。
タク『橘〜!ファーストミット貸してくれ!』
橘『はい!…すみません…俺のせいで…』
この言葉にタクではなくリュウヤが反応した。
リュウヤ『ホントだぜ!ショート行って外野行って次はサードなんて忙しいんだよ!』
茶化すようにリュウヤが言った言葉は予想以上に橘に響いたようだった…
橘『ホントすみません…』
それを聞いていたカズマがすかさずフォローに入った。
カズマ『まぁ早く治してくれよ!大会も近いんだしな』
橘『はい…』
小さく返事をした橘はシートノックに向かわず、ベンチに座った。
部内一身長が高い橘が、その時だけは誰よりも小さく見えた…
一方シートノックでは、チーム1のセンスを誇るリュウヤが、軽快にゴロをさばき、ノーミスだった…
このあたりは流石だ。
リュウヤ『ショート、ボサッとすんなよ!今日はボールたくさんいくぞ!』
………。
俺に野次る余裕まである…
シートノックをしていると、一台のバスが健康センターの駐車場に停まった。
県最強チームが到着したようだった…