MARIA〜人魚の恋〜(7)

じゅりあ  2007-12-26投稿
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部屋を出ようとしたマリアに自分も着いて行こうかとシュリーが問い掛けたのだが「ううん、一人で良い」との返事。
少し心配になったシュリーはこっそりと後を追った。


やって来たのは海上。
シュリー自身、何となく予測はしていた。

マリアは何をする事もなく、大きな岩に腰を掛けている。

三十分程経った頃だろうか、浜辺に人の足音が聞こえ、二人ともハッとした。

そこに立っていたのは、この間サイファと名乗った人間。
マリアが更に身を潜めたのをシュリーは見逃さなかった。
彼は辺りを見渡して、一点を見つめるとため息をつく。

ため息の理由がマリアとシュリーにも何となくわかった。
何故なら彼が…マリアが歌を唄った、あの岩を見つめていたから。

その正反対の岩の後ろで、マリアは動けずにいる。
それが三日、四日と続いたがマリアはやはり、影から覗くだけしか出来ず、代わりに胸が締め付けられる感覚に襲われていた…。


サイファ…。
ちゃんと、貴方の前に出て、わたしを見て欲しい。
だけど…わたしは人魚。
貴方が見たらきっと驚く。
…それ所か、気持ち悪いと思われるかもしれない。

―マリアの中で不安が渦巻いた。

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