そんな目で見られると‥‥。
見られると‥。
頼む‥そんな目で見ないでくれ‥。
俺は欲望と理性の間で戦っていた‥。
俺の胸の鼓動が、
奈央に聞こえているんじゃないかと思った‥。
奈央は俺の胸の中に顔を埋めていた‥。
俺はそんな奈央を振り払う事も出来ずにいた‥。
『‥‥智くん‥。あたしの事嫌い?』
そう言って顔を上げた奈央は、両手を俺の首の後ろに回した‥。
奈央の顔は至近距離に迫っていた‥。
俺の理性は欲望に負けそうだった‥。
奈央はじ〜っと俺の顔を見つめている‥。
だめだ‥。
理性が壊れそうだ‥。
俺は初めて奈央を見た時、奈央に一目惚れしたんだ‥。
この純粋で真っ直ぐな強い眼差しに‥。
最早、俺は理性を保つのが限界だった‥。
『キスしていい?』
俺は奈央にキスをした‥。
奈央の少し厚い唇が、俺の唇と重なり合った‥。
そして‥‥。
奈央の細くて小さい体を俺は強く抱き締めた‥。
その時だったー。
ガクガクガクガク‥‥。
俺の胸の中で奈央が震えていたー。
緊張しているのかな‥‥と思ったー。
ガクガクガクガク‥‥。
最初は小さかった震えが、段々大きくなってくるー。
『‥奈央?‥大丈夫?‥緊張しているの?』
ガクガクガクガク‥‥‥。
『‥い‥や‥‥。』
両手で自分の頭を押さえ付ける奈央ー。
『奈央?!どうしたの?!何か嫌な事でも思い出した?!』
俺は、その尋常じゃない奈央の体の震えに、ただ事ではないと思ったー。
俺の胸の中で震えている奈央は、
俺の声も聞こえていない様子だった。
『奈央?!』
ガクガクガクガクガクガクガクガク‥‥‥‥。
『‥い、い、い‥‥いやあああああーーーーー。』
奈央は絶叫していたーー。