第一章
ありきたりな毎日
それは、突然やってくる…
人の感情は一瞬にして時には変わる。
それが恋なのかも知れない…
夏の香りが感じられるような午後…
背中にじっとりと汗が滲んでくるような湿度が高い日だった。
その日もいつもと変わらぬ仕事をこなし少し落ち着いてきた頃…外出していた営業が事務所に戻ってきた。
いつもと変わらぬ軽い雑談、世間話。
そんな毎日を不満に感じた事もない。
ただなんとなく毎日過ごし、それなりの幸せな毎日を私は送っていた。
雑談が終わりかけの頃、営業の金城がふと思い出したかのように、また話かけてきた。
「そういえば、近い内新米はいるんだってよ!」
それだけ話た直後に携帯が鳴り、独り毎をいうように金城はそのまま事務所から出て行った。
…新米入るんだ…
ただ右から左に流れるように頭の片隅に残る位にしか、その時は感じていなかった。
今思えば、その時に通り過ぎていく感情だったのかも知れない。
でも八年経った今…私はあの夏にもう一度出会いたいと思う。違った形で…