うそ…
黒崎仁が以前ストリートダンスの常連…?!
だってあいつ…あんだけダンスのことバカにしてたじゃん…ピアノだって、ホール貸し切りで練習してるじゃない……
なのにどうして…?
「七瀬ちゃん…?どうした?」
私があまりに考え込んでいたため、恵くんが心配して話しかけてくれた。
「すみません…ちょっと黒崎について…考えてて…」
「あいつと一緒に踊ったことあってさ。かなりの奴だったよ。楽しそうだったのになぁ…ピアノに乗り換えか…」
「すごいダンスを非難するようにしていたんで…気にかかってしまって…」
「なんかあったんだろうな。俺らには何だかわかんないけど…」
「私、今度聞いてみます!!」
「ありがと♪」
黒崎…いろんな意味で気になる存在となってしまった。あいつがダンスを踊っていたなんて、想像つかないけど…だけど、恵くんの証言だってあるし…
「黒崎仁………」
彼のことが異様に気になってしかたなかった。