aki-第3章-?

1003  2007-12-28投稿
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とりあえず、私と彼女は近くにあった喫茶店にいた。



真弓は流石に大人だと思った。
後で必ず報告してよ、と言ってさっさと帰って行った。




しばらくの間、私と彼女はただ向かい合って沈黙していた。




「私…、さっきのは全く後悔していませんから。」
先に口を開いたのは彼女の方だった。


「そうでしょうね。」
私が言うと、丁度良くウェイトレスが注文をとりにきた。



「コーヒーをひとつ。」
私はそう言って彼女を見る。

「私も同じものを。」
彼女が言うと、かしこまりました、とウェイトレスが下がる。



「あなたは私の事をご存知の様ですけど。
お名前、聞いても構わないですか?」
私の言葉に彼女は頷く。

「近藤加菜と言います。」
私も彼女もきっと聞きたい事は山程あるのだろう。


「晶斗…。戸川晶斗をご存知ですよね?」
そう言った彼女は緊張した顔をして、右耳に髪の毛をかける仕種をした。



「知っていますよ。」
私は敢えてそう答えた。
彼女の返事は知っている。



「私、彼とお付き合いしています。」




私は一瞬息を飲んだ。





先程のウェイトレスが笑顔でコーヒーを運んできた。
テーブルの上のコーヒーはただユラユラと湯気をたてていて、まるで今の季節と私に逆らっている様にも見えた。






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