バイトの同期で学年は一つ下。
なのに年齢は3つ上。
だけど私にとってはとても心地よい距離感だった。
彼がバイトの為に、大学にスーツ姿で現れると、
『今日もバイトあるのかな?』
とか、考えたり。
そのうち、駅のホームで、
「こんにちは金澤先生!今日も塾でバイト?」
なんて声をかけられて、
「こんにちは吉岡先生。毎日会いますね」なんて返したり。
何気ない会話に楽しさを感じている自分に気づいて、目が彼を追っていることにも気づいた。
でも、大学二年生で初めての独り暮らしを始めたばかりで、認めたくなかった。
だって何もかもが不安だったから。
でも、あの人はそんな私に気づいてくれたの。
「なんか心配事あったらメールでも電話でもして。はい。俺の携帯」
私たちはバイトの後電話で話して過ごすのが日課になった。2人ともあまり寝てない日が続いた。
だけどもともと不眠症気味だった私たちは、同じ時間を共有する事で救いを求めてた…
そんな2人が付き合うのは時間の問題だったね。
だけど、
一緒に居れば良いだけではないって
気づいてしまったんだ…