終点 

湯島 朗  2006-04-06投稿
閲覧数[283] 良い投票[0] 悪い投票[0]

バスの終点。駅。その駅に、降りた。降りた途端、見えた。あの人が・・・。あの彼が・・・。私は、すぐさま追いかけた。今日こそ、話しかけたい。名前を知りたい。

なんて名前?

どこに住んでるの?

どこの学校?

質問したい事は、山ほどあった。山ほどあったのに・・・。


 あれから、5年ぐらいだろうか?たぶん、そんなに経ってないと思うけど私にとってはそんな感じ。あの彼は・・・あれから・・・。


 あのとき、私は、彼を追いかけた。彼は、信号を渡ろうとしていた。赤に、変わっていた。彼は、渡り終えていた。私は、赤になっているのも気づかずに、渡ってしまった。その結果・・・。
彼は、私を助けた。血まみれになっていた。最後に聞いたのは、「さよなら」・・・。たった、それだけの言葉が聞けて、嬉しくも悲しかった。とても・・・。とても・・・。


バスの終点は、私の恋の終点。

彼の終点は、あのバスだ。

―――――――――そして、花びらが散る。

                            終点



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 湯島 朗 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ