ティシュと商人の街?

朝顔  2007-12-29投稿
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歩いている間に日は暮れ、空は雲の切れ間から紅い光が漏れている。
家には明かりが灯り、店の看板には文字が浮かんでいた。
「ここだ」
ヴェルダが足を止めたのは小さな喫茶店の前。入り口上部にはcoffeeと書かれている。
勢いよく扉を開けたヴェルダの後を追い中に入ると、左側にあるカウンターにいた青年が笑顔で出迎えた。
「いらっしゃい」
黒髪に長身。整った顔つきの割に嫌みを感じない。
「いつものですか?」
持っていた布巾を置き、カップを用意するウェイターにヴェルダは手を横に振った。
「いや、チビ助いるか」
「スコット……ですか?あいつなら上に……」
天井を見上げたと同時に階段を駆け下りてくる音がした。現れたのはティシュと同じぐらいの背丈の少年。
「やいやい!またチビって言いやがったな!」
「お前悪口には敏感なんだな」
何用かと心配するウェイター。ふざけ合っているヴェルダの後ろから顔を出したティシュは、その少年を見て口を開いたまま固まった。
それに気づきスコットも同じように口を開け、互いに指を指した。
「……あー!」
重なり合った声に、やはりという顔をするヴェルダ。
その後二人が取っ組み合いになったのは言うまでもなかった。

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