男は、時を待っていた、位置を確認すると電車の入り口の右脇に張り付いた。 目の前のロングヘアのヘアコロンの薫りもものともせず階段の位置が静かに自分の前に止まるのを祈るように溜め息をついた。 「大宮〜」アナウンスとともにドアが空いた。 男は駆ける、駅の階段を…むちむちの女子高校生も、生意気そうな若僧も、ぷーらしきロングヘアボーィも、じいさんも、俺が一歩づつかけあがる度、追い越してく… その瞬間、 俺は生きている。 と確認する。
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