俺は誰よりも不幸でかわいそうな人間だ。
女なんてただのわがままの塊で嘘つきだ。
俺は正しい。
そう思ってた。
彼女に出逢うまでは。
ごめん…
もう二度としないから。
ほんとうにほんとうに秀くんのことだいすきだから…
だからごめん。
彼女は泣き真似なのかどうかわからないが、唇を震わせながら謝る。
二度目じゃん。
俺は情けなさを隠すためと苛立ちを抑えるために安っぽいパチンコ屋のライターでタバコに火をつけた。
イライラする。今にも殴ってやりたい。
彼女はあきらかにおびえてる。
俺は彼女の二回目の浮気が許せない。
信じてた人に裏切られることほど辛いものはない。
俺は20歳の時に大学で知り合った同い年の彼女と付き合い始めた。
彼女は目がクリクリした素直で明るく大学の仲間うちでもかわいいと評判だった。
だけど、いつからか、かわいくなくなった。
ブスだ。
俺が言ってるのは性格のことだ。
女は顔がよくても性格がブスなヤツが多い。
女は顔とスタイルが良ければいいと思ってるのか?
当たり前のように二人は別れた。
どうしても彼女が許せなかった。信じてきた4年間なんてどうでもよくなった。
俺は彼女とか恋とかどうでもよくなった。正直面倒だと思った。
彼女に出会うまでは。