手術が終った夜…全身麻酔で手術したせいか意識がウトウトの中だった。ママがアタシの手を握りながら泣いていた。そして
≪『おばあチャンが夢に出て、あなたが大変だからすぐに助けて!』
って言われたんだよ≫
おばあチャン。ママ。ごめんなさい。とアタシは言った。
そんな夢を見た気がする。
本当か嘘か‥どっちにしてもアタシは地獄から助けられたのだ。
ママと新しいパパは退院後もアタシに何も聞かなかった。
それからは新しい家族で生活を始め家族団欒というものを味わった。
毎日ご飯をみんなで食べる。みんなでテレビを見ながら笑う。みんなでお風呂に入る。みんなで寝る。学校から帰ると家にはママがいて
『ただいま』
と言うと
『おかえり』
と返事が返ってくる喜びを知った。
何年か経っておじいチャンに会いに行った。深くまで事情は言わなかったが『幸せならそれでいんだ』と笑って言った。
そしておじいチャンはその半年後に他界した。
葬式の夜に久々にまたおばあチャンの夢を見た。
『上からずっとみんなを見てるよ。』
とおじいチャンと2人でアタシを抱きしめた。
それからアタシの夢に来ていない。
たぶんアタシが地獄にいないからかな。
今アタシは自分の家庭をもち新しい平凡な幸せで
≪MY人生≫
を進んでるいるから。
おじいチャン、おばあチャン、ママ…そして新しいパパ。
アタシを守ってくれて『ありがとう』