アイツとアタシは秋口に出会った。
同じ夢を目指す者が集まる一室。
100名程が入っていただろうか。
アイツは明らかに異彩を放ち、
アタシは少し自分を消していた。
アイツは誰とでもすぐ打ち解けた。
アイツの周りにはすぐ人の輪ができた。
アタシは人と話すのが苦手だった。
夢を叶えるのに無理して馴れ合う必要はないとさえ思った。
でも
アイツだけは気になった。
でも…
そばに行こうと思った時には
アイツの周りには人の輪ができていた。
たくさんの人に囲まれ笑うアイツを
アタシはただ眺めていた。
それがアイツと初めて出会った日だった。