許可書が発行された後の段取りは時間局の前でコンダクターからあらかじめ指示されていた。
(えっーと、時間局六階に用意されている東西ツーリスト控え室にて七時半まで待機してて下さい。だったな…。
それにしても客の扱いが横着な代理店だな、審査にしても控え室までにしても付き添いの一人はいてもいいものの…
いや、でも俺はそんなに旅行にいかないしな。むしろそれが普通か)
青年の頭にたわいもないことがよぎる。結局彼も審査官と一緒。朝から頭が回らないのだ。時刻は朝6:32分。
青年は審査室から出るとエレベーターに乗った。エレベーターまではそれほど迷うことなく行けた。彼は割りとその辺の勘はいいのかもしれない。
ほどなく六階に到着。六階に早朝はなかった。六階は建物の細かいしきりが少ない。階がうんと広く見える様になっている。エレベーターを降りてからの風景は審査室があった二階の時間移動事務フロアとはまるで別世界のようだった。人人人…。店店店…。駅のキヲスクの様な店をはじめ、土産屋、飲食店、ブティック等が縦横にと立ち並ぶ。人は三百人強はいる(青年には千人はいるようにみえたが…)
当然だが、各々動きは様々だ。そしてざわめきが定番の音のように聞こえてくる
外から見える高層ビル群がこの風景に違和感を与えるのが通常のところだろう。だけれでもそれどころか空中に突如あらわれた近未来都市を演出するようで逆に映える。
中央には噴水(中にはいくらかの小銭が投げ込まれている)、そして等間隔で緑色植物がおかれている、壁にはテレビが埋め込まれている箇所もあり賑やかさに一つ買っている。
「おわっ!なんだこれ?」
(すげぇ…)
続く