クリスマスも終わり、もう正月。
「みか、初詣は?」
「実家の親と子供たちで行ってくるよ」
「なら、2日に美味しいもの、食べに行こ!」
僕は、彼女に逢いたくてたまらない。初日の出だって、一緒に行きたかった。 今月は、彼女の誕生日もある。
『クリスマス、正月、誕生日。懐が寂しい…どうしよう』
イベント続きで苦しくなっていたが、バカな僕は
『まっいっか。その分、働けばいい』 意外と楽天的な男。経済観念ゼロ。あるお金は、全部、使ってしまう。
『まずいなぁ』
とボヤキながらも、そんなこと、お構いなし。
「明けましておめでとうございます」 「おめでとう」
やっぱ、彼女の笑顔は最後。
「正月なんだから、寿司、食べに行こ」
「何処へ?」
「せっかくだから、静岡の焼津市にある魚市場にだよ」
と言っても、彼女にはわからないよな。
「ガッカリさせたら、ごめんだよ」
彼女の笑顔をいっぱい、見ながら、車を走らせた…