昔から
結奈はよくモテた。
告白してきた男子も星の数。
だけど結奈はいつも言ってた。
「結奈、友達いない」
でも今は言わないな。
俺がいるから。
全校生徒約600人の
桜がキレイな高校に結奈は入学した。
結奈は小柄でロングヘアー顔もかわいらしく、体も細い。
男子はみんな結奈にくぎずけ…
結奈は好きでやってるんじゃないのに、行くとこ行くとこに男子にチヤホヤされ、女子からは遠ざけられていた。
ある日結奈は
放課後一人で廊下の隅で泣いてた。
「風邪ひくぞ。」そう言って結奈に自分のカーデを被せた。
中学から結奈同だったけど話したことは一度もなかった。
ただ結奈は中学でもかなりモテていた。
カーデをくるみ、
結奈はボソッとつぶやいた。「結奈、友達がほしぃーんだよ。それだけなのに、みんな結奈から離れていっちゃう。」
俺は結奈の髪をそっとなで、「しかたないよ。お前モテるんだもん。
女子がダメなんだったら、男子の友達もいるんだぜ。それに俺がなってやっから」
それからが
俺らの始まり…………
2000年
冬
「蓮〜!!!」
家の窓の外から自分を呼ぶ声が聞こえる7時半…
俺は窓からヒョコッと顔を出した。
そこには結奈が立っている。
「おはよぉ。蓮。」
「おっは〜。ちょっとまってろ。」
窓の鍵をしめ、
かばんと携帯をもち、
階段を駆け降り、
玄関のドアを開けると、
結奈が待っていた。
「遅いよー」
「うるさいっ文句いうなっ」
言い合いながら
俺と結奈は学校へむかった。