地元の高校に入学して数日が過ぎた。
校庭では綺麗なピンク色の桜が風に揺れていた。
さわやかな日だ、と思った。こんなうららかな日には眠たくなるんだよなぁ、と相変わらずざわついてる教室の中で眠ろうと顔を伏せていた。
「貴士〜」
すると、どこからともなく俺の名前を呼ぶ奴がいる。
「起きろ!貴士!」
太郎だ。睡眠妨害かよ。
ムスッと顔を上げると
にこにこ笑う太郎がいた。
「貴士、お前何やるの?」
「あぁ、委員の話?めんどくないやつがいいな〜」
にまりと太郎が笑った。
さっきから気味が悪いぞコイツ。
「じゃあさぁ俺学級委員長に立候補するから、もし多数決になったら投票してね」
コイツが委員長?
「またどうして?(そんな面倒なやつを…)」
そんなタイプじゃないのに。
「いやぁ〜あのよ俺、フォーリンラブ?ときめいちゃってさぁ、その子も委員長やるって噂でさ…」
ははーん、なるほどな。
「な!お願い!俺ら幼馴染みだろ!困ったときはお互い様!助け合いの精神!」
「わかった、わかった。で、どの子?」
「……好きになるなよ。」
「ならねーよ。興味ないし」「ほら、あの子。前から三列目の」
と言って太郎はその子を指差した。