アジアンブロー -最上級の愛の物語- ・8

よこま  2008-01-01投稿
閲覧数[478] 良い投票[0] 悪い投票[0]

東国カダン王没後、15年の歳月が流れた。

王位継承第1位のシグマに即位の日が近づいていた。

世界の中でも珍しいこの東大国は全体が4ヵ国に別れている。

その母体である東国の即位は、先の王が亡くなった場合、満15歳で行われる。

即位当日の朝。

シグマとシナ将軍は本殿にあるカダン王に花を添えた。

「カダン王亡き後、良くここまで成長されました。」

シナ将軍は深々とシグマに礼をする。

「シナ将軍、私は東国の王になる為に 今日まで 教育を受けて来た。しかし、こんなに若い私がこの先、国民を守って行けるのだろうか…」

「シグマ王様、ご心配はご最もですが この東国の民は皆、心優しい国民でございます。ご自分にもっと自信をお持ちください。」

「シナ将軍様、西国の王様がお見えになりました。」

「そうか、今行く。シグマ王様 早くお支度を。」

「わかった。」

城の回りは王となるシグマを一目 見ようと人々が集まって来た。

「シグマ様が東国の王になってようやく落ち着いたなぁ。」
「この国もこれで安泰だ。」

「そう言やぁ、シナ将軍様は軍部にお戻りになられるのかねぇ」

「今じゃ 副将軍のソン様が 頑張っておられるからね」

「そうだな、ソン様は女武将とは思えない位、威勢がいいからね。」

「あぁ、全くだ。」

城下は王室の噂で持ちきりだった。

そんな中、次々と各国の王達が集結する。

「あれが噂の西国の…」

「また随分と恰幅(かっぷく)のいいお方だねぇ」

「何でも、西国は后(きさき)が数人いるって話しじゃないか。」

「へぇ… 全く 羨ましいねぇ… おいらも肖りたいね。」

「こら! また アンタは!」

「い、痛てぇな…」
「かみさんは怖ぇ〜な!」

「ハハハハ…」


宴(うたげ)が始まった。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 よこま 」さんの小説

もっと見る

SFの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ