─ Supli ─No.2

涼宮可鈴  2008-01-02投稿
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人間と言うのは、一つ“嘘”をつくと、それを隠す為にまた“嘘”をつく。
つまり、“嘘の螺旋”みたいなものだ。
私は、まだ、知らなかった。未熟で純粋な私には・・・医者にも、母にも、嘘をつかれてた事が。
最初の内は、2年の寿命だった私。・・・でも、段々、病の進行が早くなっていた。・・・・・・残る人生は、あと、5ヶ月。
医者は、母に、「落ち込んで、自分が分からなくなり、自殺しようと考えてしまうかもしれないので、この事は、言うのは止めておいた方が良い。」と言った。母は、家で、泣きじゃくった。病気は、人にはどうする事も出来ない。
“頭痛”や、“腹痛”は、薬を飲めば、良くなるけど、“白血病”は、そんな簡単なものでは、ない。
・・・・・・・・私は、生きたい。
「あははっ!隆二、本当、毎日来てくれるっ!」
「しょうがないだろっ!心配なんだもんっ!」
隆二は、ちょっぴり可愛いところがある。
女の子みたいで可愛い!
「くすっ・・・」
「何笑ってんだよ!」
「だって、隆二、女の子みたいで可愛いんだもんっ」「どこがだよっ!」
「全体的に!」
「・・・・・・・。」
ガラガラガラ・・・・ドアを開ける音。母だ。
「あ。隆二君。また来てくれてたの?いつもありがとうねぇ。」
「あ。こんにちは。いえ。いえ。当たり前の事ですから・・・。」
「あら。あら。由美は、幸せ者ねー。こんな、優しい幼なじみ、こんなに、勇敢な彼氏もっちゃって!」
「や!やめてよっ!お母さん!」
「妻を守るのが、夫の役目ですからっ!」
「ちょ、ちょっ!そこっ、調子に乗るなっ!」
楽しい時間が終わった。
隆二と、母は、ドアを開け、閉めた。
すると、母は、隆二を呼び止めた。
「あのね・・・実は・・・」
その言葉を聞いた隆二の顔が、一瞬にして変わった。その言葉とは・・・
「由美の病の進行が早くなってしまって、残りが、5ヶ月しか・・・」
「嘘・・・・・・・・だろ・・・・・・」隆二には、“絶望”の二文字だけだった。



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