僕は一人で帰ろうと思った。学校を出て駅まで歩いて帰ろうとすると後ろから玲花が声をかけた。
｢悟、一緒に帰ろう。｣
｢ああ、いいよ。｣
｢なんか久しぶりだね。一緒に帰るの。小学校の時以来だよね。確か悟はあの頃から野球にハマってたよね。あ、そうそう、私野球部のマネージャーになったから、よろしくお願いします。｣
｢お前、バレーはやらないのか？あんなに活躍してたのに。｣
｢バレーはね、もう飽きちゃった。やっぱり野球の方がおもしろいから。｣
｢ふーん。｣
｢ねぇねぇ、悟、好きな子いないの？｣
｢いないねー。それどころじゃないし。そう言うお前はどうなのさ？｣
｢私は、いるっちゃいるけどねー、どうなんだろ？｣｢なんだよその曖昧な答え｡お前みたいなのは男子がほっとかないだろうよ。｣
｢私チャラチャラしたのとか見た目ばっかり意識してる人とか嫌いだから。｣
｢じゃ、その好きな人？っていうのはそうじゃないのかよ？｣
｢そうだね、少し頼りないけど。｣
そんな話をしながら二人は電車にのりこんだ。中は空いていた。僕らは座席に座った。僕らはしばらく無言だった。先に口を開いたのは玲花だった。
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