都内、一人暮らし。
両親とは不仲
サンクス辞めた辺りから。
私が勝手に仲が悪いと思ってるだけで、
帰ってこいって、しつこい。
サンクスの時のお金で、
専門に通っている。
家賃はそこそこ安いから、
何となく暮らせている。
熱が出た。連休なのに
携帯が鳴っている。
まどろむ意識の中、出た。
「もしもし」
遥人だった
「……ああ、遥人」
「今日、暇か?直接会って話がしたい」
「家まで来てくれるならいいけど」
「じゃあ、邪魔する」
「家変わってないから」
「ああ」
「鍵あいてるから勝手に入っていいよ」
一度インターホンが軽快になった後、ドアが開く
「寝てんのか?」
「起きてるよ」
「座っていいか」
「どうぞ。勝手に冷蔵庫からお茶取って」
遥人の後ろにある冷蔵庫を指差す
「ああ」
返事をしたけど彼は開けなかった
「話って何?」
「陽一がな」
「……陽一?」
「日本に居るって」
「まさか」
帰ってきたら、会いにくるって約束したから。
「東京にいるらしい。一年前から」
「だったら尚更、あたしたちに会うはずじゃん」
「……陽一、会いたくねえって」
「どういうこと?」
「事務所の人から聞いた話だから」
立ち上がる、遥人の腕をあたしは掴んだ。
「嘘でしょう?陽一がそんなこと」
「俺らに会いたくねぇって言ってんだよ」
遥人は乱暴にあたしの腕を振り払う
「だからお前も忘れろ。陽一なんて」 遥人はあたしを見ずに言った。
弱っていたあたしの身体は
振り払われた衝撃で、
壁にぶつかった。
意識は飛んだ。
藤崎病院
あたしが遥人によって担ぎ込まれた病院
そこは大地のお父さんの病院だった。