「何で殺した?」
テロは無事鎮圧できた。
だが陸のなんとも言えない怒りはおさまってはいなかった。
「まぁ…これからこういう事はたくさんあるし…良い経験になったと思うし…」
赤松は事をうやむやにしようとしている。
しかしまだ赤松の顔から悲しみの表情は消えていなかった。
「俺はそういう事を聞きたいんじゃない」
陸はできる限り静かにそう言ったが声が怒りで震えていた。
「何で殺した?」
陸は赤松の胸ぐらを掴んだ。
「待ってください!」
真琴が止めに入ったが陸は赤松から手を離さない。
「あぁいうやつは死ぬべきじゃない、あんたがやったことは正義じゃない。俺はそう思う」
陸の言葉に赤松は何も言い返せなかった。
「やめてください…!…赤松さんのこと何も知らないくせに勝手なこと言わないでください!」
真琴はなんとか赤松の胸ぐらから陸の手を引き剥がした。
「…じゃあその赤松さんの事を教えてくれ、それで納得出来なかったら俺は赤松さんを一発殴ってここを辞める」
陸は相変わらず静かに言葉を発していたがその声は明らかに怒りをおびていた。
「…第8次中東戦争のとき…あの男が言った通りサファル国は日本の攻撃により壊滅しました。」
真琴は静かに話し始めた。