《暗闇からのテロリスト》
山者(サンジャ):約900年前平安時代から存在している鉱山掘りの部族、現在は鉱山掘りはしておらず生活の場として洞窟に大規模な街をつくり暮らしている。何百年もそのような生活が続いているため色素が不足しており髪の色は白っぽく肌も異常なほどに白い。
「ってところだな」
茶髪の男が満足げに腕を組んだ。
「あんた誰?」
陸がストレートに言った。
「赤松、この新人は躾がなってないな」
「はぁ…すみません」
赤松はため息をついた。
「この人は久我山さん。みんな『久我さん』って呼んでる。2番目の戦闘員で部隊のブレインだ。」
赤松が焦っているのを初めて見た陸は少し可笑しく思った。
「赤松、それじゃダメだ。もっと俺の凄さをアピールしてくれ」
(あれ?もしかしてもの凄くうざい人?)そう思ったがいくら無礼者の陸でもさすがにそれは言わなかった。
赤松は面倒臭そうに久我山の過去の偉業を語り始める…。
…簡単に説明すれば、まぁ…正直凄い人である。
「赤松そんなにほめてくれるなよ。恥ずかしいじゃないか、非常に。それより新人、山者の一番の特徴は何か分かるか?」
ついこの前まで一般人だった陸に分かるはずもなかった。
「分からない?いや分からないだろうなぁ〜」
久我山は明らかに陸をバカにしていた。
(何なんだこいつは…!あからさまに嫌みったらしい…)陸は少しイライラしてきた。
「まぁしょうがないか新人だし。山者の一番の特徴はだな。何百年も暗闇で暮らすことによって身についた暗視能力だ。しかも暗視ゴーグルなんて足元にも及ばないほどの高性能の目を持っている。」
久我山は言いきるととても満足したようだった。
「それと赤松、あのチビはどうした?」
「あぁ、真琴なら学校ですよ」
それを聞いた久我山は残念そうな顔をした。
「あぁ〜チビにこいつの処理を押し付けてやろうと思ったのに…」
そう言うと大量の書類を机の上に置いた。
「陸、逃げるぞ」
「は?」
赤松は陸の耳元で囁くと腕を引っ張り部屋を出た。
「そうだお前らに頼もう…」
そこで会話は途切れた。
「陸、久我さんはかなりのSだから気をつけろ。真琴も次のブレイン候補とは…かわいそうなやつだ…」
赤松は気の毒そうに笑った。