女というのは恐ろしいものである。そう思えたのは、とある百貨店に福袋を買いに行った時だった。
【女の福袋戦争】
1月2日。10時開店で福袋販売日。福袋を買いたいという友達と共に初めての試みであった私は、何個買えるかな?と期待でいっぱいであったが、甘かった。
目の前にうつったのは、開店30分前から数十メートルはある、歩兵・足軽の山であり腕捲りしたおばさんも肩を回してストレッチに励んでいる。そんなに肩を柔らかくしてどこで誰を押さえ込むつもりなのかはわからないが、おばさんからは福袋への勝気が周囲の若者へと向けられた。一方若者も負けじと荷物持ちをさせるであろう彼氏の腕をしっかりとつかんで列にならばせている。
皆がヤル気で満ちている。列に並んでいる時点で私などは圧倒されっぱなしで、むしろそんな戦争には不参戦でありたい。
しかし無情にも私の連れはヤル気であったため、腕をつかまれたまま私は人混みに流されていた。
そしてついに、開店の放送が入る。
戦場でホラ貝が響きわたり歩兵が突き走っていく光景に似ていた。
そして福袋に向かって仁義無き女の戦いが始まったが、それは次回に書くことにする。