今日から2週間、両親は久しぶりのデートで旅行へ行く事になった
「お土産ちゃんと買ってきてね」
妹の智恵は8歳になる
俺、清弘は17歳
母と父、4人のどこにでもあるごく普通の家族だ
「分かったわ、じゃあ行ってくるわね」
「お土産たくさん買ってくるからな」
そう言って両親は出掛けた
「よし、とりあえず俺は夕飯の食材買ってくる」
「じゃああたしはお留守番してるよ」
「何かあったら電話するんだぞ」
俺は近くのスーパーへ行った
「今日は智恵の好きなカレーにするか」
カレーの材料を買って家へ向かった
「ただいまぁ……」
「……智恵?」
返事のない智恵を探し2階へ行った
「どうした智恵?」
廊下の天井を眺め、じっとしている智恵を見つけた
「お兄ちゃん、何だろう…アレ…」
俺はその不気味なものを見た
「シミだろうか…」
だが、シミにしてはおかしい
黒と赤、紫が混じった表現しようのない奇妙な色のものである
しかもそれは周期的にうごめいている
「気持ち悪いよお兄ちゃん…何とかして」
「たぶん木が腐ったんだろう、父さん達が帰ってきたら見てもらおう」
うちは2階建て築30年の和製の家
カビで木が腐ってきてもおかしくはない
「腹減ったし飯食うぞ」
「うん」
翌日
チリリリリリリ
「んぁ!?まずい遅刻だ」
「おい!起きろ智恵」
隣の部屋で寝ている智恵を急いで起こした
今日は二人とも終業式である
「うむぅぅ…」
「ほらっ!さっさと起きろ遅刻するぞ」
俺は寝ぼけている智恵を引っ張り1階へ向かう
「うおっと!」
俺の手は階段手前で引っ張られた
「なんだよ智恵」
振り向いてみると智恵は天井のアレを見ていた
「これ…どこに向かってんだろう」
アレは1階に向かい延びていた
「そんなの、気にするな」
それから朝飯を食って俺達は学校へ行った