「七瀬…どうするの……?」
「どうするって……」
高橋さんは、途中前で踊る場面がある。だけど、高橋さんは既に出られる状態じゃない。
(このまま終わるのかな…)
内心そう思っていた。
(やっぱり、私には無理だったのかな…)
その時……
「七瀬ちゃん?」
「……恵くん…!」
文化発表を見に来ていた恵くんが、私の顔をのぞきこんだ。
「なんか大変そうだね…どうしたの?」
私は恵くんにすべてをはなした。観客としてきてくれる恵くんに相談するなんて、情けなかったけど…恵くんだから、はなすことができた。
「そっか……」
ポロポロ……
私は既に涙でいっぱいだった。
「私…もうどうして良いか分からなくって…」
「七瀬ちゃん…泣かないで…!」
そういって両手で、私の涙を優しく拭ってくれた。
「でもっ…もう無理なんですよ…!」
「七瀬ちゃん……」
「私の…せいだ…」
すると、恵くんが私の頭を優しく撫でた。
「バカなこというなよ…あきらめなら駄目だろ…」
「でも………」
「踊りたいんだろ?」
その質問に、私は頷いた。
私…踊りたい…!!