初恋?-2

エリ  2008-01-03投稿
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家に着いたのが11時半。
急いで着替えて、メイクをして、髪をセットする。
なんとか終わって時計を見ると、12時45分。
間に合った。
急いで駅まで迎う。
駅に着くとダイキがちょうどホームから出てきた。
「メリークリスマス!」
「おぉ!メリークリスマス!」
いつものダイキのクールな笑顔だ。
「夜中にメール送ってごめんね。」
「大丈夫。起きてたから。駅、人多いな。」
駅は出かける人達でいっぱいだった。
「近くに公園あるけど、行く?」
とっさに出た言葉だったけど、あの公園は苦い思い出の場所だった。
アキと別れた場所。
アキを傷つけた場所。
「行こうか。」
「うん。」
静まりかえった公園。
誰もいない。
「それで。返事聞かせてくれるか?」
ベンチに座って、私を見上げる。
あの瞳で見つめてくる。
今頃気付いた。
ずっと苦手だと思っていたこの瞳。
最初からダイキの瞳にときめいていたんだ。
この瞳に生まれて初めての恋をしたんだ。
「あのね、すごく迷ったの。」
ダイキは静かに話を聞いてくれている。
「ダイキがミカと別れて、すぐ告白してくれたけど、でも、ミカのことが気掛かりだったの。いやな思いさせるんじゃないかって…」
「うん。」
「でも、私はダイキのことが前から好きだったから…正直に嬉しかったの。だから、自分の気持ちに素直になることにしたの。」
もう一度、ちゃんとダイキの目を見つめる。
鼓動がどんどん大きくなった。
「私と付き合ってください。」
手が震えてしまう。
サチコやカナコ先輩に勇気をもらって、今、ありったけの勇気を振り絞った。
足の力が抜けてしまいそうだ。
「エリ…」
初めて名前で呼ばれた。
「ありがとう。」
すごくやさしい笑顔。
「さっきから手が震えてるじゃん。」
そっと手を握ってくれた。
「なんか、言ったら力抜けちゃって。」
ダイキが優しく手を握ってくれた。
「OKしてくれるとは思ってなかったから、なんか避けられてるっぽかったじゃん。ただ伝わればいいと思って告ったんだよ。」
ダイキは照れ笑いした。
「嫌いなんかじゃないよ!ただ、ダイキの隣にはミカがいたから。」
「今は隣にエリがいる。」叶わないと思っていた私の初恋。
なんとなくなんていう適当な気持ちではない想い。
一度は諦めていた大事な気持ち。
ダイキの気持ちと私の気持ち。
やっと繋がったね。



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