何だろうか……
俺は夢でも見ているのか…
それにしちゃリアルな感覚だ
夢………夢……悪夢……
さっさと覚めろよこんな夢
ぉ兄ちゃん……お兄ちゃん!
「あぁ…智恵……」
「しっかりしてお兄ちゃん」
「腹…減ったな…」
アイツラが現れてから4日ほど経っただろうか…
あのシミの様なものは血に変わり家を侵食していく
血は拡散し、行き着く所からアイツラが現れる…キッチン、トイレ、風呂場、そしてテレビの4ヶ所
俺と智恵はあの日からまるでサバイバルの様な生活をしている
逃げ道は無い…
窓という窓は鉄柵に変わり外へ繋がるドアは何本もの鎖で外側から封じられている、電話も通じやしない
俺達は完全に隔離状態となった
「オムライスが良いなぁ」
「卵はもう無いんだ…炒飯で我慢してくれ」
「……いつまで続くのお兄ちゃん」
「智恵もう嫌だよ…」
俺はどうしようも無い問いに怒りが爆発した
「知るかよそんなの!!俺が知りてぇよ!……俺だってもう…限界だ…」
そんな事を話しているうちに時間はきてしまった
「お兄ちゃん…見て…」
智恵は時計を指差した
「17時50分……あと10分…」
18時…それは俺達二人にとって生死を分ける時間
「智恵!早くブラックライトとバットを」
俺は身を守る武器として釘を打ち付けたバットを用意、智恵にはアイツラに効果抜群のブラックライトを持たせた
異形の者は紫外線を酷く嫌うようだ
だからアイツラは日の出と日没の間は現れない
理由?そんなものは知らない…“生き残る”今はそれしか考えられない
「お兄ちゃん、ライトの電池が…」
今までの連戦で電池が尽きようとしていた
「とりあえず2階へ急ぐぞ」
日の出までに俺達はアイツラに気付かれないよう隠れなくてはならない
「さぁ早くベッドの中に」
智恵をベッドの中に隠し俺は再び1階へ戻った
「あと2分……はぁはぁ…」
俺は自分の親指を噛んで血を出し、至る所に血を塗り付けた
アイツラは人間の血の臭いに敏感
これを利用すれば時間がかせげるわけだ
俺はギリギリまで塗り続けた