私が死のうとしたのは、ゴールデンウィークの最後の日。
会っておきたい人達にひととおり会った後だった。
死にたい理由と言うのは、私の場合、当人以外には大したことのないこと。そしてはっきりとしないもの。
とにかく、心が完全に弱ってしまっていたんだと思う。
高校三年生になり進路を決める時期になっていた頃、私の父親は長く勤めていた会社を辞めた。
私はずっと私立の大学に行きたいと思っていたが、金銭的に無理だろうと判断し、就職の道を選んだ。
ちょうど私の年は高卒の就職率は最低。大した資格も無い私をわざわざ雇う会社などなく、私は何十社もの面接に落ちまくった。
どこにも必要とされない自分。
うまくやれない自分。
日に日に無くなっていく自信…。
今思えばこの辺から私はうつ病になりかけていたのだと思う。
そんな状態で就職した私は、まだ経験したことのない社会人の生活についてゆけず、日に日に死にたいという思いが強くなっていった。
何もかもが初めてで役に立たない自分。
自信の無さから会社に行きたくないと思う自分。
そんな自分が嫌で嫌で責めて責めて殺したいと毎日思っていた。
そして、ゴールデンウィークの休暇に入ったきり私は会社に行けなくなったのである。