「実は…彼女、事故死じゃないのよ」
…は?何を言っている?
少し期待していたのに、拍子抜けだ。
「ちょ、ちょっと待ってよ。警察が、状況的に判断して事故死、ってことになったのよ。それが今更違ったなんて…」
「そう思うでしょ」
そう言いながら、美香は不適な笑みを浮かべる。なんだ…?その笑みは…?
「事故を起こした人…いたじゃない?バイク乗ってた人。
彼ね…私の兄貴なのよ」
『えぇ!?』
皆が一斉に驚く。私も例外ではない。
――そんな話、聞いてないぞ。
「それでね。兄貴に事故のことを詳しく聞いてみたのよ」
皆の声など聞こえないかのように、美香は話し続ける。
「そしたらね…俺は轢いてない…って言い出したの」