半年くらいたったころ、親が来た。親の顔を見るだけで相変わらず僕は死のうとする。自分でも何でだかわからない。そんな僕を冷めた目で見ながら帰っていった。
その日、その出来事を忘れたくて屋上へ行った。
いつもと同じくだらない話しをした後、何となくえみに聞いてみた。
何で笑わないの?
さぁ。
笑ったらきっと可愛いよ。
何で笑うの?
何でって、嬉しかったり、楽しかったりするから?
嬉しいって?楽しいって?何?
何だろう、、、
でも今一番嬉しいのはえみが質問してきてくれた事かな?
僕は思いっきりの笑顔でえみをみた。
そぉ。
僕さ、えみの本当に笑った顔見てみたいな。
私も。
!?意外な返事だった。だっていつもなら、『そぉ。』とかしか言わないから。
、、、。
じゃあ、僕が面白い話したくさん話すよ!
きっと、笑いたくなるよ。
、、、。
それから毎日、自分なりに面白い話しをした。
えみと居ると、世界が優しくなる。楽しくて、何だか嬉しくて、自然に笑顔になる。
だから本気でえみの笑顔が見たいんだ、、、
一緒に笑いたいんだ。
すっかり冷えきった冬の日
たまたま、施設内で、えみを見かけた。
見知らぬ女性と男性と話してるみたいだ。
お母さんが死んだんだよ!?
あんた悲しくないの!?
それでもお母さんの子供なの!?
と女性が泣きながら叫んでた。
!?えみの家族だ。
すると男性の方が、、きっと父親。が、
やめなさい。この子は感情がないんだ。母さんが亡くなっても、何とも思わないのさ。
ただ今日は母さんが亡くなった事を知らせに来ただけだから。
それを見て、何だかたまらなく怒りが込み上げてきた。
何でだかわからない。ただ、悔しかった。えみがそんな風に言われて。
だって、あんたら家族だろ。何でそんな風に、、、、
僕は屋上へ行き、えみが来るのをずっと待っていた。
、、、この日、えみは来なかった。
雨の日でも、どんなに暑くても、毎日必ず来てたのに。
来なかった、、、