キャッチボール

さすらいの小説家  2006-04-07投稿
閲覧数[314] 良い投票[0] 悪い投票[0]

-8-
確か9歳の時だった。雨の中、街角で流れていた。玲花と喧嘩した時だった。僕は雨降る中一人で帰った時、『遠いこの場所にいるといつもDISTANSE感じているよ。』この台詞で始まる曲に僕は心を打たれた。しばしその場で聞いていた。そして泣いていた。なぜ涙を流したのかわからなかった。
(何で喧嘩したんだっけ)「悟はもっと強くならなきゃダメだよ!!」
「いいんだ、どうせ僕なんか人と同じこと出来ないんだから。」
「私は悟のこと何も変だとは思わないよ。」
「うるさい!!どこ見たって僕は普通じゃない!!全部この右腕のせいだ!!」
何であんなに逆上してしまったのか自分でもわからない。公園で玲花と遊んでいたときだった。僕らの家の近所の小さい公園だ。ブランコに滑り台、鉄棒、砂場などありきたりなものが置いてあり、街中の喧騒とは打って変わって静かな場所だった。僕らは学校が終わると決まってこの公園にきた。そう、あの日も。玲花と僕は鉄棒をして遊んでいた。しかし、僕は右腕がない。そのため、片手でなんとかできる前回りが精一杯だった。一方玲花は逆上がりを楽々とこなしていた。僕は嫉妬した。やりたくても出来ないのに。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 さすらいの小説家 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]
アプリDLで稼ぐ!
“Point Income”


▲ページトップ