「よーし、目ぇ開けていいぞ陸」
陸はゆっくり目を開けると体を起こした。
「これでテロに対抗するために必要な情報、知識、戦闘術はお前の頭の中にインプットされた。」
陸は何を考えているのかボーっとしながら手のひらを見つめている。
「…本当に大丈夫なんすか?」
「まぁ、情報や知識はともかく戦闘術のほうは今から真琴と実際にやりあってもらう。それで確かめろ」
陸はそれを聞いて嬉しそうな顔をした。
「何ニヤニヤしてるんですか?殴る口実ができて嬉しいって感じですね」
真琴が鼻で笑う。
「そうだな。早く天才の真琴ちゃんをいじめてやりたいって感じだよ」
「変態」
「あぁ?」
またいつもの睨み合いが始まった。
「お前ら本当ガキだな…まぁ、ケンカは演習場でやってくれ」
赤松はあきれながらも演習場の扉を開くスイッチを押した。
2人は睨み合いながら演習場に入っていった。
5時間後
ボロボロの陸と余裕の表情の真琴が演習場から出てきた。
「陸、どうだった真琴は?」
赤松は陸に聞いたが悔しさからか何も答えなかった。
「そんなに気にすることじゃないですよ。アルーフじゃないのにここまでやれるとは思いませんでしたから」
そんな陸を見かねて真琴は気を使って言葉をかけた。
「…あぁー、分かってねぇ、全然分かってねぇ。お前それ嫌みにしか聞こえないって…」
真琴はその言葉にカチンときた。
「あたし誉めたつもりなんですけど!分かってないのはそっちじゃないですか」
「それが、嫌みだって言ってんの」
そう言うと真琴は黙り込み部屋から出ていこうとした。
「まぁまぁ陸、真琴も悪気があって言ったんじゃないんだ」
「いいですよ赤松さん、それと…あと一言言わせてもらいますけど実戦のときは『うおぉぉぉ』とか言わないでくださいね。恥ずかしいですから」
そう言うと真琴は部屋を出て行った。