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さすらいの小説家  2006-04-07投稿
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「おや、悟ちゃんじゃないか、どうしたんだい。」
悲しそうに佇む僕を見て駄菓子屋のおばちゃんが声をかけてくれた。
「中へ入りな。」
そう言うと僕を店のなかに入れてくれた。
「どうしたんだい。そんなに雨と涙に濡れて。」
「玲花ちゃんと喧嘩しちゃった。」
泣きながら喋る僕の声をおばちゃんは親身になって聞いてくれた。
「おや、そうかい。原因はなんだね。」
僕はすべて話した。
「なるほど、玲花ちゃんは悟ちゃんを思っていってくれてるんだよ。玲花ちゃんはいい子だから悟ちゃんにも頑張ってもらいたいんだよ。わかるかい。それに悟ちゃんも男の子なんだから玲花ちゃんに優しくして上げなきゃダメだよ。いいかい。」
「うん。」
「じゃあこれあげるから玲花ちゃんのところ行って仲直りしてらっしゃい。ほらちょうど雨も止んだし。」おばちゃんは10円の飴を二つくれ、僕に行けと促した。雨上がりの空を見上げると虹が架かっていた。僕は虹に後押しされるように玲花の家へ向かった。

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