「これは……?」
ドアを開けると薄暗く長い階段が下に続いていた
「ライトを持ってきてくれ智恵」
「うちにこんな地下あったか?」
「はい、ライト」
俺は智恵とともに階段を下りていった
「お兄ちゃん…やっぱりやめようよ」
「どうしてだ?もしかしたら逃げ道があるかもしれないんだぞ」
「アイツラの罠かも…」
「着いたぞ」
階段を下りた先は行き止まりだった
そこは長方形の小部屋でダンボールが大量に山積みにされていた
俺は一番近いダンボールの中を見た
「これは…資料だらけだ」
中身はどうやら何かの研究資料であった
「クリーチャーファイルNo.246…なんだこれ」
俺は複雑な部分をとばし読み進めた
「動物実験か何かか?……ん!?」
次の資料を見ると見覚えのある写真があった
「こっ…!これは……」
その写真にはあの忌まわしい化け物が写っていた
「まさかアイツラの実験をしていたのか!?…って事は他にも俺達の様な事になった人が…」
更に資料の中から古びた書物を見つけた
「稲葉隆二…これは日記だ」
俺は黄色く色褪せた日記を慎重にひらいた
<4月10日、今日からこの家に現れた怪奇現象の謎を解く事にした。同時にこれを日記に残す事にする>
<4月11日、俺は奇妙な化け物に会った。こいつが何者なのか生物学者である以上調べないわけにはいかない>
<4月12日、化け物の捕獲に成功した。こいつを地下の実験室でいろいろ試した。呼び名をクリーチャーとする>
「ん?ここから破られてるな」
俺はその日記を抱えリビングへ戻った
「お兄ちゃん、それなに?」
「智恵、どうやら俺達と同じ人がいたみたいだ」
「えっ!?じゃあその人は助かったの?」
「分からない、でも助かる手段が見つかるかも」
日記はまだ続いていた
<4月24日、俺はやってしまった…クリーチャーたちを怒らせてしまったようだ。奴らに傷をつけるとまずい、急速に家全体を侵食し始め群れをなして一斉攻撃をしてくる。それとレッドゾーンに入ってはならない、そ はふ と>
日記はそこから文章ではなくなり読めなかった