あきかぜ

かえで  2008-01-06投稿
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もう秋だな
なんだか切ない匂いがする。

あたしは会社からの帰り道を歩きながら、夜の空気になぜか泣きそうな気持ちになっていた。
秋は好きだ。
暑くて寝れなかったり、虫がうじゃうじゃ出て来るうっとおしい夏を終わらせ優しく冷たい冬を持ってきてくれる。
植物も赤や黄色に色づいて綺麗だし、秋服もあたしには無理がなく調度いいかんじがしていい。
でもあたしを、秋は好きになってくれない。
毎年秋になるとあたしは独りになる。
まるで秋に独りでさびしい想いをしろと引き離されるように。
どうしてだろう…。

ダイスケもそうだった。
大輔とはあたしの四つ年上で、あたしが去年の冬に偶然にも出会って付き合った人だ。
あたしは一人暮らしをしているが、引越してすぐにガスを使用する際に必ず一度ガスの点検をしてもらわなければいけない。
それをだらだらと遅らせてしまい、居留守を使ったりして先延ばしにしていた。
当時あたしには付き合って二週間目の彼氏がいて、彼は唐突に家に来てビックリさせる事が多く、最初はビックリしていたあたしもそれに慣れてしまっていた。
だからその日も家のチャイムがなり、いつものように寝起きのまま何も疑わずドアを開けた。
そして顔も見ずにまた布団に潜り込んだ。
いつもだったら大声ではしゃいで起こしに来るのに、今日は静かにしてるやん…めずらしい…。
うるさくされるのはあまり好きじゃないので、静かなカレに少し違和感があったがそのままもう一度眠った。



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