「清〜!返事してくれ〜」
「居るなら開けてくれないか清くん!」
「親父、清と智恵ちゃんが行きそうな場所を探そう」
「そうだな」
18時32分…いつもとは明らかに何かが違った
「何故だ…どうなっている?」
日没を過ぎればいつもの様にアイツラが現れるはずだが…一匹たりとも姿を見せない
そのかわりに家は何かの兆候を見せはじめた
「腕を切り落としたせいなのか…」
血は床以外の家全体をじわじわと覆い始めた。そしてあの赤い線から半分側の方に赤い足跡がいくつか現れた
よく見ると俺と智恵の足跡であった
「お兄ちゃん……」
さっきから姿がなかった智恵の声が聞こえた
「あぁ智恵どこに……!?」
俺は智恵の豹変した姿に言葉を失った
「智恵…どうなっちゃったの…」
智恵のあの真っ黒なアザが首から下全体を覆っていた…
もはや普通とよべる状態ではなかった
血は一晩中、家を侵食していった
俺達2人は抜け殻のような状態で寝床についた
6日目、異変は起きた…
7時16分
「これが……俺の家……なのか…」
そこはもう家族4人笑いながら過ごしたあの幸せな家のかけらすらなかった
家が真っ赤に染まり尽くしたのだ
妹の智恵も…もう見れる姿ではない
「どうすればいい……どうしたら……」
俺は再び地下へ行き助かる方法を探し続けた
「何かあるはずだ!何か……」
実験資料のみで逃げ道を記すものは見つからない
俺はふと疑問に思った
「そういえばこの実験はどこで……地下とは書いてあったが実験道具なんかないしな…まさか」
俺は地下の部屋を隈なく手探りした
「ん?これは…」
壁の隅に1?程の小さなボタンがあり、それを押した
すると奥の壁がスライドし部屋が現れた
「こんなものが…」
中は実験には申し分ない設備が整っていた
「すごい……よくここまで運んだな」
実験台にはミイラ化しかけた化け物が横たわっていた
近くのデスクに注射器と紙切れがあった
<感染除去薬−AH147ce>
「これで智恵のあれが治るかもしれない!」
俺は大急ぎで智恵の元へ向かった