‐第8章 東国王 シグマの誕生 ‐
厳粛な司教の挨拶も終わり、晴れてシグマは東国の王なった。
「 本日は各王様にお集まり頂き大変 感謝しております。
我等、東大国はご存知の通り東西南北、4国に分かれております。
今日も尚、4国がお互い平和に過ごして来られたのは言うまでもなく
各国の王様方のお気持ちのお陰と、常々感謝しております。
私はまだ 若く、未熟者でございます。
各王様方のお足元にも及びません。
しかしながら、この東国の国民の為、全力を尽くして参ります。
そしてまた、この気高く尊い東大国の発展の為に皆様方と力を合わせて参りたいと思っております。」
拍手喝采の中、西国の王がゆっくりと立ち上がった。
「東国シグマ王に
乾杯!」
「乾杯!!」
民族衣装を着た踊り子が舞う。
仮面を被った男たちも舞う。
皮太鼓の音が鳴り響き …
長い宴が始まった。
「ソン!」
シナは、賑やかな席から立ち去ろうとしていたソンを見つけた。
「お兄様…」
「ソン、気付かなくて済まなかった。」
「いいえ…私こそ、お兄様にご挨拶もせずに…」
シナの目に今日のソンは眩く映っていた。
ソンもそんなシナの気持